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STEEL CAN AGE

ECO TALK

リサイクルしやすいものを選ぶとか、買うものを選ぶのも大事だと思います。

梅沢由香里(囲碁棋士五段)

小学生1・2年くらいのお子さんかな。私たちが川のごみ拾いをしていたら「ここにもごみあるよ」と一緒にごみを拾い始めてくれたんです。「近所に住んでるの?」

「今度はいつ来るの?」って、ほとんど遊び相手扱いでしたけれど(笑)。私たちは、外で動くのは気持ちいいし、さらに川もきれいになるしっていう遊び感覚でやっているので「楽しそう」と思ってくれたのかもしれませんね。一度拾ったことがある人は捨てなくなると思うんです。だからあの子供たちにも何かしら残ってくれるものがあったらとても嬉しいです。

以前はあまり環境に配慮をしていませんでした。近い場所でも車を使ったり、物をすぐ捨ててしまったり。でもあるとき大学の先輩から「地球上の森が1分間にテニスコート1面分ずつなくなっている」と聞いて、何かしなければと思ったんです。初めは何をすればいいのか全く分からなかったのですが、仲間と話しているうちに「ひとりひとりがライフスタイルの中で環境に貢献できることをせいいっぱいやる」ことが解決の手助けになると考え、そのことを実践したりラジオで伝えるという活動を始めました。

例えば私の携帯エコセットは、ペットボトルを買わないための水筒、エコバッグ、マイ箸、ハンカチ。単純なことですけれど、ハンカチを持てば手を拭く紙や乾かす機械っていらないんですよね。それから、このエコバッグは日本棋院で販売しているものなのですが、以前使っていた市販のものは手提げ部分が短くて肩にかけられなかったので、日本棋院から「何かグッズを作りましょう」とお話しをいただいたときに「肩から提げられるエコバッグを!」って作っていただきました(笑)。

買うものを選ぶのも大切ですよね。例えばペットボトルは、分別するときにラベルをはがしてフタとボトルを分けるようにしなければいけない。熟年主婦の方などのチェックも厳しいのでゴミをキチンと分別するのって結構プレッシャーなんです(笑)。でも、缶ならそのまま捨てられますし、リキャップ缶なら飲みかけでも持ち歩ける。だから同じ買うなら缶を買うようにしています。

囲碁の世界では、全部を手に入れようとすると、逆にたたかれてしまって勝つことができないんです。それで何度も痛い目にあいました。「奪い合うのではなく与え合う」。この部分は与えるけれどこの部分はいただきますという発想がとても大切なんです。この発想は環境への考え方にもつながるのではないかと思っています。また、環境を考えるときに「シンクグローバリー・アクトローカリー」という言葉がありますが、囲碁の言葉の「着眼大局・着手小局」と共通するのではないかと、少し強引かもしれないですが思っています。見るところは全体なのだけれども、することは身近で小さなこと。ひとりひとりの意識が環境全体につながると思っています。(談)

 
 

profile
1973年東京都出身。財団法人・日本棋院所属、現在、囲碁棋士五段。人気マンガ「ヒカルの碁」の監修を手がけるなど、囲碁の世界を身近に分かりやすく多くの人に伝えている。また、環境に関する活動も活発で、NPO法人「ドリームキャッチャーネット」に所属。仲間たちとともに、日々の生活の中で環境に貢献できることを、ラジオやインターネットなどから発信するなど、さまざまな活動に取り組んでいる。