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STEEL CAN AGE

ECO TALK

何も汚さずにできる。エコシップで「思い」に働きかけたい。

加山 雄三(俳優・シンガーソングライター)

CO2削減運動「チャレンジ25キャンペーン」応援団キャプテンを務めるなど、地球環境を守る活動に積極的な加山雄三さん。現在注力されている自然エネルギーのみで動く船「ゼロエミッション・ウルトラエコシップ」についてお話をうかがいました。

地球は折り返すのも元通りにするのも大変な状態です。天から「この変化をしっかりと受け止める心構えを持ちなさい」と言われているようにも感じます。でも人間は「これが大切だ、これが望みだ」と思う方向へ行くと思うんです。だから、ゼロエミッションつまり自然界への排出をゼロにすることができるんだ、それを目標にするんだという意識作りができたら、それが一番強い力になると思っています。

30年ほど前からエネルギーについて考えていました。船を自然エネルギーで走らせるのはヨットが一番。でも帆で走る船は人手が必要です。少人数で効率良く走る船をと考えているうちに、化石燃料を全く使わず太陽光と風力の発電のみで動き、しかも揺れない船「ゼロエミッション・ウルトラエコシップ」構想が膨らんできました。

現在は、企業・大学・中央省庁などのメンバーによるプロジェクトになっていますが、実は最初に関係者にお話したときは「あーそうですか」とあまり興味を持ってもらえなくて。ちきしょーと思いましてね。次の勉強会では図面を描いて配ったらすごい反響でした。

船の設計のヒントはアメンボウなんですが世界中にこんな船はありません。でも、自然からヒントを得るのはとても重要だとおっしゃっていただきました。

この船の目的の一つは意識革命です。例えばサンフランシスコ港に珍しい船が入った、とニュースで取り上げられるのも重要なこと。燃料を全く使わず水を補給することもなく世界を廻っている船がある。今ならリアルタイムで船での生活や場所、発電量や使用電力量のデータなどを世界に発信できますよね。さらにこの船は3500キロワットの電力を28時間連続使用できる電力を発電し、海水から1日に200トンの水を作ることができるので、災害時には電気や水を提供する災害救助船になることも考えています。言ってみれば移動式発電所。エネルギー革命の一つの道しるべになるのではないかと考えています。構想はまだ始まったばかりですが、5年後くらいにはこのエコシップに乗って海を走っているのが夢であり、私の思いです。

スチール缶をリサイクルすることもゼロエミッションの一つ。リサイクル率は90%超えてるんですね。根元の分別をきちんとすれば効率良くたくさんの鉄を再生できるし、それを心地いいと感じる気持ちが大切だと思います。いい方向性を持った「思い」の連鎖反応が増えたらいいなと思います。僕の船では30年前から缶を圧縮する機械で缶を鉄板状にして資源として出しているんですよ。私も協会の活動を応援しています。

 
 

profile
神奈川県生まれ。慶應義塾大学卒業後、1960年東宝入社。『男対男』でデビュー。1961年映画『大学の若大将』に主演、「若大将シリーズ」スタート。歌手としては1965年『君といつまでも』が大ヒット。弾厚作のペンネームで幅広い楽曲創作を続ける。そのほかに油絵、陶芸、漆器などの作品を精力的に創作。「チャレンジ25キャンペーン」応援団キャプテン。

加山雄三ホールコンサートツアー”オレ達だって若大将!”2013年4月まで開催中。
詳しくは加山雄三オフィシャルサイトまで→http://www.kayamayuzo.com