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STEEL CAN AGE

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おいしいだけじゃない!缶詰のチカラ

食材を無駄なくいただく

海外では缶詰を素材として料理するのは当たり前ですが、日本では長年食品売り場の隅のほうに置かれるマイナーな存在でした。でも東日本大震災以降、防災非常食や復興を目的とした缶詰が注目されるようになりました。サバ缶ブームでは「缶詰を使って料理する」という認識が広まりました。また最近では、減塩・無添加など健康志向や持病のある方でも食べられ、栄養表示も細かく明記されている缶詰が次々と発売されています。

さらに地方独自に製造している缶詰で面白いものがあります。害獣と共生しようと考案されたジビエ缶、魚種は限定せず浜にあがった魚を使った水煮缶など、本来捨てられてしまうものを有効活用し、無駄なく、おいしく食べられるようにつくられています。缶詰が社会や環境の問題解決の1つにもなっているんです。

ハイスペックなスチール缶

缶詰の容器であるスチール缶にも注目すべき点があります。例えば蓋や切り口など鋭利なところを丸めたり巻き込んで成形する、安全を考慮した缶が増えています。ごみ収集日に資源物として缶を出すとき、内側までしっかり洗わなければいけないので、「指を切る心配がない缶」は重宝されると思います。また万一被災したとき、缶は食器や水汲み容器などに代用できますよね。

スチール缶の特長は他にもたくさんあります。製造過程で密封加熱して殺菌するため防腐剤などを一切使用しません。食品の劣化につながる光を遮断でき、常温で年単位での長期保存が可能です。大きな具材が入れられるのも良いところです。衛生面から食べやすさまでその機能をいかんなく発揮しています。

スチール缶は分別収集され、90%を超える高いリサイクル率を誇っています。スチール缶の素材である鉄が、缶詰や缶飲料などの容器として使い終わったあとリサイクルされることで、CO2排出量などの環境負荷をどのくらい低減できているのかを具体的に数値で公表する取り組み「エコリーフ」表示が始まったと聞きました。

人にも環境にもやさしい缶詰を、皆さんにもっともっと知っていただき、楽しんでもらいたい。そんな思いを抱きながら、これからも皆さんにまだ知られていない驚きの缶詰の魅力を伝えていきます。(談)